概要

情報通信技術の進展によって変容する情報リテラシーの育成について検討する

 情報通信技術の発展やAI等の進展により,誰もがいつでも情報を発信することが可能な社会になっています。情報の利用が手軽になる一方で,大量の情報の中から自分に必要な情報を選別する能力,利用する情報が適切か判断する能力が求められています。このような能力は今日「情報リテラシー」と呼ばれ,社会の変化に伴って情報リテラシーのあり方も変容していくことが知られています。
 情報リテラシー論分野は,社会の変化に対応した情報リテラシーの育成について学術的に検討するために,古典的なメディア論や最新の情報通信技術の動向も踏まえつつ,(1)流行に流されない冷静な視点を忘れず,(2)実際に現場で取り組んでいる人たちに寄り添う実践的な姿勢を持ち,(3)それぞれの立場を調整するための対話を重視する分野です。そして,(A)進展する情報通信技術を積極的に活用した教育の質向上の方法論の模索,(B)メディアや情報に対する未来的なリテラシーのあり方やその育成手法の開発,(C)これらを実現する政策や教育機関のガバナンスなどの運用課題,指導者の育成のための教育プログラムについての研究を進めています。
 本研究室では,これまで蓄積されてきたメディアや教育に関する多くの知見に加え,社会的な重要性が急速に高まっている数理データサイエンスやAI等の分野との連携を強化し,情報リテラシーの獲得のための学習支援やLearning Analyticsなどの複合的な研究領域において,先端的かつ実証的な研究を推進し,研究成果を社会に還元することを重視しています。時代や社会的背景によって変容する研究対象に真摯に向き合って,研究を進めていく大学院生たちに大きな期待を寄せています。